抄読会(妊娠子宮嵌頓症に対する経腟超音波プローブを用いた整復方法)
2025.5.7
Kantorowska, Agata et al. “Incarcerated gravid uterus: a new treatment using the transvaginal ultrasound probe and narrative literature review.” American journal of obstetrics and gynecology vol. 232,4 (2025): 390.e1-390.e12. doi:10.1016/j.ajog.2024.08.026
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39181496/
2025年5月2日の夕方に医局で抄読会が行われました。
奈良医大産婦人科では毎週金曜日に抄読会を行い、最新の知見について共有・議論しています。
福井先生が妊娠子宮嵌頓症に対する経腟超音波プローブを用いた整復方法について論文に掲載されているアニメーションや整復時の超音波画像も紹介しつつ発表されました。
3,000~10,000妊娠に1例と稀な疾患ですが、帝王切開を回避する目的に非侵襲的な整復方法が必要です。経腟超音波プローブを用いた整復方法は8症例において全て整復でき、合併症も認めませんでした。症例数が少ないことや、高度癒着症例など整復できる疑問は残りますが、一つの選択肢として知ることができました。
管理アルゴリズムも示されており、妊娠12~16週の有症状(便秘や骨盤痛など)や16~20週にこれまでの非侵襲的な方法に加えて、この整復方法など検討するものでした。