産科研究紹介

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周産期研究室では、周産期合併症である妊娠高血圧症候群や羊水塞栓症を中心に研究を行っています。

主な研究内容

  1. 妊娠高血圧症候群の病態解明
  2. 羊水塞栓症の診断補助マーカーの開発
  3. 早産の予知マーカーの開発

1.妊娠高血圧症候群の病態解明

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠20週以降~分娩12週前の期間に高血圧やタンパク尿を伴うものです。
母体や胎児に様々な合併症が生じることがあります。

妊娠高血圧症候群

研究内容

絨毛外栄養膜細胞(EVT)が子宮筋層へ浸潤

妊娠高血圧症候群は妊娠初期の胎盤形成不全により生じると言われています。

胎盤を形成する時に、絨毛細胞(胎盤を構成する細胞)の中の一つである絨毛外栄養膜細胞(EVT)が子宮筋層へ浸潤するとされていますが、詳細なメカニズムは分かっておりません。

私達は、EVTが子宮筋層へ浸潤するメカニズムを解明することを目的として、実際に絨毛細胞を用いた基礎実験を行っています。

2.羊水塞栓症の診断補助マーカーの開発

羊水塞栓症とは?

羊水塞栓症は、羊水が母体血中へ流入することによって引き起こされる疾患です。胸痛、呼吸困難、出血(原因不明)など症状は様々あります。頻度は約2万例に1例と稀ですが、母体死亡率が高く、予知や診断が非常に困難です。

研究内容

私達は羊水塞栓症の原因として、分娩時に羊水成分が母体へ流入することによるアレルギー的反応が関連するのではないかと着目しました。
羊水成分が母体へ流入したことを示す特異的マーカーを見出し、将来的には診断補助マーカーとして臨床応用することを目指して基礎実験を行っております。

羊水塞栓症発症の仮説

3.早産の予知マーカーの開発

早産とは?

日本では妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産のことです(日本産婦人科学会より)。日本の早産率は増加傾向にあり、早産児には脳出血、神経学的障害、呼吸障害等の重篤な合併症を生じる危険性があります。早産を予防したり、予知することは現在でも容易ではありません。

研究内容

早産の原因の一つが、腟内の細菌感染から続発する絨毛膜用膜炎です。妊娠すると、腟内の菌の環境が変化し、細菌感染を生じることがあります。
私達は腟内のpH環境に注目し、新たな早産の予知マーカーになるのではないかと考え、臨床研究を行っています。

早産の原因の一つは絨毛膜用膜炎

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