当院は総合周産期母子医療センターとして、新生児科・小児外科・麻酔科・放射線科など各部門と密接に連携して、妊娠高血圧症候群、早産、多胎妊娠、妊娠糖尿病、前置胎盤などの母体合併症や胎児発育不全、胎児奇形などの胎児合併症にも対応しています。適切な母体・胎児管理から出産後の新生児治療・管理に繋げています。
妊娠と分娩の経過において母体や胎児に予期せぬ緊急事態が発生する事があります。たとえば胎児の状態が急に悪くなった場合、できるだけ速やかな分娩が必要となります。分娩時の大量出血で母体に生命の危険がおよんだ場合には、輸血、子宮動脈の塞栓術などの止血処置や子宮の摘出が必要となることがしばしばあります。当院は24時間対応できる産科救急体制をとり他院からの紹介・母体搬送も多く受け入れています。
また、県下の分娩施設の減少に伴い、当院の分娩数はこの10年で倍増しています。これに伴い、合併症をお持ちの方だけでなく、経過に異常のない妊婦さんの分娩ニーズが高まってきています。そのような妊婦さんの自然なお産へのニーズにお応えすることと、産科医の過重な負担を少しでも減らすことを目的にメディカルバースセンターを2011年から開設しています。いわゆる医療偏重のお産でもなく、かといって助産院でもない、安全にして自然な分娩を行えるセンターを目指しています。当院では合併症のない妊婦さんは、できる限りメディカルバースセンターで分娩していただいています。